医療 社会福祉 経済

医療や介護、年金などの社会福祉政策と経済との関係は、国家の根本にかかわる大きな問題です。また、高齢化と経済成長の鈍化が見られる先進国に共通の難題でもあります。制度をどのように改革すべきか考えましょう。

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検診をうけない妊婦-産科医療の崩壊3

 ”救急車が破水した妊婦を搬送しようとしたところ、収容先を探すのに3時間以上かかって流産した”、という報道がありました。このような状況には、産科医が不足しているということ以外に、別の要素がかかわっています。

 出産は突然するものではありません。女性が妊娠すれば、普通の場合は産婦人科を受診します。そこで妊娠か否かが診断され、正常妊娠であれば、その後は定期的に妊婦検診が行われます。従って出産の際には、通院中の産科へ連絡すれば適切に対応がなされます。
 周産期救急医療システムは、産科の医療機関と異常分娩などを扱う高度医療機関の間のネットワークによって形成されており、一般の救急医療システムとは別のものです。医療機関を受診していない妊婦が出産のため救急車を呼ぶ、というのは異常なことなのです。

 これまでも、未成年の妊娠や検診の習慣がない外国人などが、突然のお産のため救急車搬送されることはありました。最近の特徴は、所得が低くて出産費用を払えないために検診を受けない妊婦が増えていることです。

 正常なお産は疾病ではないので、健康保険の対象外です。おおむね数十万円の自費負担が必要になるため、これを払えない妊婦は検診をうけません。そして、出産ぎりぎりになってから救急車を呼ぶためにこのような事態が発生するのです。そして無事に出産すると、多くは費用を踏み倒して退院してしまいます。

 医師法19条に医師の応召義務というのが定められており、医師は診療を依頼されると、正当な理由なしには断れません。特に救急医療機関が理由なく救急車を断ると、医師法に抵触するおそれがあります。また、無理やり医療費を取り立てることは倫理的にできません。妊婦はこれを利用して、"ただ乗り"しているわけです。

 妊婦検診をうけずにいきなり出産すると、母子ともにリスクが高くなることが知られています。救急搬送先を探すシステムだけを作っても、異常分娩や胎児の異常が増えることは止められません。妊婦がきちんと検診を受けられるようにするのが、本来の望ましい解決方法です。

 米国の周産期死亡率は高く日本の3倍くらいですが、貧困層や無保険者の多いことがその一因と考えられています。このままですと、日本も米国に近づいていく可能性があります。


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テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

  1. 2007/11/03(土) 22:58:22|
  2. 医療崩壊
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  4. | コメント:0
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