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医療 社会福祉 経済

医療や介護、年金などの社会福祉政策と経済との関係は、国家の根本にかかわる大きな問題です。また、高齢化と経済成長の鈍化が見られる先進国に共通の難題でもあります。制度をどのように改革すべきか考えましょう。

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リスク回避 保険 期待効用-医療の市場化4

 今までの内容を整理すると、次のようになります。
 
 1.医療制度の本質は、”リスク回避”である。
 2.リスクを多数に分散することにより、その変動を減らして一定範囲内に制御することができる(大数の法則)。
 3.保険は、金銭と契約を用いたリスク回避法の一つである。
 4.取引の関係者が持っている情報量に偏りがあると、市場原理のもとでは効率的な取引に支障が生ずる。

 つまり、医療を市場化しようとする場合には民間保険が中核的な役割を果たし、また情報の非対称性が重大な問題になることがわかります。


 ところで、医療保険が事業として成り立つためには、取引によって保険会社と加入者の双方が利益を得られなければなりません。この点を検討しておきましょう。

  リスクは分散することによって一定範囲に制御できることは前に述べたとおりです。

 それでは、保険が何故利益を生むかというと、”貧乏人の1万円は、大金持ちの1万円よりもずっと価値がある”という原理によっています。

 急性心筋梗塞になると、200万円の医療費がかかるとしましょう。そして、その人が心筋梗塞になるリスクが1年につき1%であったとします。
 そうすると、この人の心筋梗塞による1年間の平均的なリスク(期待値)は200万円X0.01の2万円です。従って、公正な保険料は年2万円と考えられます。

 年収300万円の人にとって200万円の出費は大変なリスクですが、年収3億円のお金持ちには大した金額ではありません。そうすると、このリスクを2万円よりもやや高い値段(たとえば2万1千円)で売買する契約が成立する可能性が高いのです。

 お金持ちは、同じような契約をたくさん結ぶことによってリスクを一定範囲内に押さえ、利益を得ることができます。
 それでは、年収300万円の人は不利益をこうむったのかというと、そうでもありません。可処分所得が297万9000円に減るよりも、1%の確率で100万円になってしまう不確実性(リスク)を回避できることのほうが、価値があると判断しているからです。

 もちろん、リスクに対する価値観は人によって異なりますし、保有資産など他の要素にも影響されます。
 
 しかしながら、一般的には"使えるお金の額が増えるに従って、その人にとってのお金1単位あたりの価値が下がる"、という関係(限界効用逓減の法則)が見られるために、保険は成り立っています。


 限界効用逓減の法則にあたる理論を最初に発表したのは、流体力学で有名なダニエル・ベルヌーイで、1738年のことです。

 その後、ジョン・フォン・ノイマンオスカー・モルゲンシュテルンがゲームの理論用いて整理し、1944年に”ゲームの理論と経済行動”という本にまとめています。
 この理論は、”事象がある確率分布にもとづいて決定される不確実なものであるとき、人々は効用の期待値を最大化するように行動する”という前提で成り立っており、期待効用論と呼ばれています。

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テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

  1. 2007/10/25(木) 19:07:06|
  2. 経済と医療制度
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