医療 社会福祉 経済

医療や介護、年金などの社会福祉政策と経済との関係は、国家の根本にかかわる大きな問題です。また、高齢化と経済成長の鈍化が見られる先進国に共通の難題でもあります。制度をどのように改革すべきか考えましょう。

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フランスの医療制度-医療崩壊はこれからです

 次にフランス医療制度について検討しましょう。

 フランスは、ドイツと同じ保守主義型福祉国家レジームに属し、職域集団が主体になっています。一方憲法で選択の自由が保障されているため、医療制度上でも、選択の自由が確保されています。(福祉国家レジームについては以前のページ参照)

 このため、医療機関に多様性があり、混合診療自費診療も行われているのが特徴です。元々革命によって成立した国家であり、また自由、平等、友愛国家の理念であることから、このような特徴が生じているものと考えられます。

 日本の保険制度でも、医療機関を自由選択することができますが(フリーアクセス)、この点はフランスに類似しています。
 
 医療費(対GDP比)や医師数(人口あたり)は、ドイツより少ないものの、日本よりはずっと高水準です。

 ドイツと同様に一般医を主体とする外来診療と専門医が主体の病院薬局に機能分化しており、初期診療は一般医が行い、必要があれば病院へ紹介するのが原則です。しかし、国民は受診先を自由に選択できるので、直接病院を受診することも多く、病院の救急外来が繁忙になって研修医がストライキを行ったりしています。

 医療制度は公的社会保険によって成り立っています。雇用者負担が被用者負担よりはるかに多いこと、また税金使われていないのが特徴です。職域労働組合が組織化されて強い力を持ち、社会保障政策に関与しているためです。

  国民皆保険で、ドイツと異なり富裕層も社会保険の対象になりますが、混合診療民間保険のみを扱う富裕層向け医療機関が存在します。
 
 現在のところ混合診療の多くは外来診療にかかわるものです。病院の大半は国立もしくは公立で、公的社会保険による診療を主体にしています。民間病院の多くは富裕層向けで、strong>混合診療や民間保険が主体になります。

 日本と同様に30%前後の自己負担があり、また医療費は一旦患者が支払った後償還されるようになっています。この償還率が医療機関にとって異なるため、不足分を民間保険で充当することによって事実上の混合診療になっています*。

 医療費削減のために、ジェネリック医薬品への変更や包括医療が導入されている点はドイツと同様です。

  なお、フランスの救急医療は、消防機関ではなく厚生省所轄の国家機関SAMU)が行っていおり、日本とは全く異なるシステムです。SAMUは救急医療情報センター()と重篤な傷病者を対象とする機動ICU(医師、看護師の搭乗する高規格救急車やヘリ:SMUR)を運用しています。

 救急医療情報センターは、病状に応じて患者からの医療相談から医師の派遣、日赤や民間の救急車派遣、SMURの派遣などを一括管理しており、事故や災害などでは消防機関とも連携します。このシステムは、利用者満足度が高いものです。

 また、フランスでは少子化対策として、 出産に関する医療は全て無料(自己負担なし)で提供されており、これが他の政策とともに出生率向上に寄与しています。

 これらの医療制度は、なんとか機能していますが、医療費はかなり高水準で、特に雇用者負担多いため、、企業が国外に出てしまい、高い失業率の原因になっているなど、保守主義社会福祉国家レジーム特有の問題が生じています。

 今後は、保険者の力を強め、民間医療保険への依存度を高めるなどの方向となりそうですが、職域集団既存勢力の力が強く、容易ではありません。また、混合診療民間医療保険病院での診療に大きく広がると、米国と同じような問題は生じて、制度が崩壊する可能性があります。

 *詳細はこちらのサイトを参照

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テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

  1. 2007/11/23(金) 13:55:43|
  2. 医療崩壊
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  4. | コメント:0
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