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医療 社会福祉 経済

医療や介護、年金などの社会福祉政策と経済との関係は、国家の根本にかかわる大きな問題です。また、高齢化と経済成長の鈍化が見られる先進国に共通の難題でもあります。制度をどのように改革すべきか考えましょう。

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医療崩壊はこれからです(1)-米国の救急医療

  日本の医療崩壊は今始まったところで、問題は今後です。
 
 救急医療、小児科などの、リスクが高く、かつ効率の悪い(従って給与や労働条件の悪い)診療科が、産科僻地医療に続いて崩壊するものと考えられます。

 米国では、1980年代に無保険者と貧困層が増加し、救急医療と急な出産に問題が生じました。

 無保険者や貧困で医療費を払えない患者は、日中でも救急外来しか行くところがありません。しかし、このような患者を受け入れると、病院は診療費を取りはぐれることになるため、たらい回し(転院)やきちんとした診療の拒否(patient dumping):が頻発しました。

 小規模な民間病院は経営が成り立たない救急医療から手を引き、行き場のない患者は、主に州や群などの経営する公立病院へ集中することになりました。

  これに対して、”1986年の救急治療と出産に関する法律(Emergency Medical Treatment and Active Labor Act of 1986 (EMTALA))”、という連邦法が成立し、メディケア(米国の高齢者用公的医療保険)の対象病院に対して、救急患者と急な出産の受け入れと、病状が安定するまでの治療が義務付けられました。
 
 日本の大きな救急病院が1年間に扱う患者数は2万人程度ですが、患者が集中する米国の都市部では7万人くらいが普通です。このため待ち時間が長くなり(平均6時間というところもあります)、待っている間に亡くなる人が出てくるため、来院患者をスクリーニングして、重症患者には速やかな処置を行い、軽症であれば最低限の治療をして帰宅させるシステムが必要になります。

 こうしてテレビでお馴染みのER救急医が確立し、急速に広がっていったわけです。

 米国東海岸のダウンタウンにある某州立大学付属病院の管理者によると、現在ER受診患者で医療費が払えるのは20%くらいで、あとは税金で補填されるとのこと。

 このように市場原理の米国でも、救急医療や急な出産には法律による規制が行われ、またかなりの部分が税金でまかなわれて、何とか維持されています。
  
 医療保険の一元化ができれば、このうちかなりの部分を保険による一般診療にシフトできると考えられるため、民主党のクリントン議員は時期大統領選挙の目玉にしています。

 日本は、同じ道を逆行していく可能性があります。最近では、地域の救急医療機関が救急医療から撤退し、救急患者が一極集中する傾向が出てきています。

 きちんとした法律の制定や財源の確保が必要なはずですが、現状ではかなり困難でしょう。

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テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

  1. 2007/11/14(水) 17:25:21|
  2. 医療崩壊
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
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