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医療や介護、年金などの社会福祉政策と経済との関係は、国家の根本にかかわる大きな問題です。また、高齢化と経済成長の鈍化が見られる先進国に共通の難題でもあります。制度をどのように改革すべきか考えましょう。

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対米政策とバブルの発生-日本ほ経済がこうなった理由(1)

 社会福祉にはお金がかかりますので、その質の向上経済成長に大きく依存します。従って、日本経済がなぜ今の状態になっているのか、今後どうすべきなのかを考えなくてはなりません。

 これには、対米関係などが大きく影響していますので、まずはこれまでの経緯を振り返ってみましょう。

 第二次世界大戦のあと1971年まで、米ドルは金と兌換性があり揺らぐことのない基軸通貨ででした、円もドルとの固定レート(1ドル360円)によって価値が固定され、日本は安い円のもとで、現在の中国と同様に、輸出を基軸にした高度経済成長を続けていました。

 ところが米国は、ベトナム戦争などのため膨大なドルを発行し、このために財政赤字インフレが進行して、ドルの価値を維持するのが困難になりました。そして1971年にドルと金との兌換を停止したのです。

 当然ながらドルは暴落し、1973年には円を含めた主要国の通貨は全て変動相場制に移行しました。これが、ドル・ショックです。日本は、急激な円高によって輸出が落ち込み、大きなダメージをうけることになりました。

 そこへ1973年の中東戦争と1979年のイラン革命により起こった2度のオイル・ショック(石油の高騰)が追い討ちをかけます。石油依存産業がダメージを受け、不況とコストプッシュ・インフレによって日本経済は大混乱となり、長い低迷が続きました。

 この間にも米国は戦費の調達などのためにドルの乱発を続けたため、財政赤字インフレが続き、さらに世界中にお金が余っていきます。

 1979年、この事態に対応するため、FRB議長のボルカーはFRB準備金を引き上げて、高金利を誘導したため、米国は不況に陥ります。

 そして1980年、強いアメリカをスローガンにしたドナルド・レーガンが大統領になり、レーガノミクスと呼ばれている次のような経済政策を実行しました。
 1.大規模な所得税減税
 2.規制緩和
 3.歳出削減
 4.金融引き締め(高金利)。
 しかしながら、軍事支出や社会保障費の増加などのため歳出削減はできず、政府支出は増加しました。

 これによって米国の景気は劇的に改善しましたが、財政赤字貿易赤字は膨れ上がり、また高金利によるドル高が続きました。

 米国の景気回復によって日本の輸出も増え、自動車や電機、ロボットなどの輸出を中心にして日本経済は立ち直りましたが、日本の貿易黒字と米国の貿易赤字は増加してゆき、米国の財政赤字とともに限界に近づいていきます(双子の赤字)。

 1983年に来日したレーガン大統領は、ドル高円安の是正と日本の対米貿易黒字削減のため、金融市場の開放を迫りました。しかしながら、金融市場開放後にも双子の赤字は変わりませんでした。

 その後再選を果たしたレーガン政権は、双子の赤字を整理するため、ドルを下げる政策に転換します。1985年にはG5で国際協調によるドル安政策が合意されます(プラザ合意)。

 これをうけて、澄田日銀総裁は翌年から公定歩合の大幅な引き下げと円買いドル売りを行い、急速な円高ドル安が進行しました。

 この後の円高があまりにも急激であったため、1986年から日銀は円売りドル買いを行いました。これによって、国内金融市場に過剰な円資金が流入することになります。

 さらに同年、前日銀総裁の前川春雄を座長とする「国際協調のための経済構造調整研究会」は、市場開放内需拡大を目指した報告書(前川リポート)を提出し、これに基づいた低金利政策公共投資が行われます。

 こうして過剰流動性が生じ、土地は青天井に上昇してゆき、日本経済はバブル目指してまっしぐらに進むことになります。

 つづく
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テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

  1. 2007/11/17(土) 15:41:03|
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バブルの崩壊-日本経済がこうなった理由(2)

 物の値段は市場で均衡することになっていますが、有限な資産の値段は、しばしば乱高下します。

 物の値段が安定するためには、上がった場合には下げる力、下がった場合には上げる力が働かなければなりません。これをネガティブ・フィードバックと呼びます。

 ところが、例えばピカソの絵がある程度の期間上がりを続けると、上がるから皆買う、皆が買うからまた上がる、という一方向への力が働いてしまうことがあります(あるいはその逆)。これをポジティブ・フィードバックと呼び、値段は不安定になります。

 実際の需要-供給とは無関係に、ポジティブ・フィードバックによる急速な値上がりが生じたのがバブルです。

 ただし、バブルが起こるには、それを支えるだけのお金が存在しなければなりません。そこで中央銀行などは、乱高下が大規模に起こらないよう、通貨供給量などを制御しているわけです。

 問題は、それがバブルなのか、実際に値上がりすべくして上がっているのかを、その時点で識別する合理的な方法がない、という点にあります。従って、バブルはつぶれてみるまで、そうであったと断言できない(少なくとも、そのような言い訳や説明をしても詐欺とは言い切れない場合が多い)のです。

 1980年代後半の日本では、お金があり余っていました。一方、実際の需要はそれほどなかったために、余剰資金土地、さらには絵画骨董にまで向かい、大規模な資産バブルが発生してしまいました。なお、土地が急速に上がり始めたきっかけは、1985年に当時の国土庁が東京のオフィス・ビルが不足する、と発表したことです。

 金融引き締めは好景気に水をさすため、政治的にはやりにくい政策です。それに加えて、内需拡大による貿易不均衡の是正、という錦の御旗米国の外圧がありました。さらに、円高と原油安のため生活必需品のインフレ起こっていなかったのです。

 この時は、世界的な金融緩和による好景気だったのですが、1987年にまずドイツの中央銀行であるブンデスバンク金融引き締めを行いました。これをきっかけに、1987年10月19日に、ニューヨーク株式市場で大暴落が起こり、世界中の株式市場が急落します(ブラック・マンデー)。

 東京株式市場は、この時一旦は急落したにもかかわらず、半年で回復して日本経済はその後も成長を続け、株や土地は上がり続けました。そして、日銀の三重野相殺はは1989年5月になって、ようやく金融引き締めを開始し、1990年のお正月から東京株式市場の暴落がはじまり、1992年まで続きます。

 金融引き締めは、1989年から1990年にかけて5回行われましたが、ここに至っても、日本の土地はなかなか下がりませんでした。そこで、さらに土地取引の総量規制(土地担保融資の制限)や増税が行われ、1991年になってようやく下がりはじめました。
 
 一旦下がり始めた土地は、金融緩和を行っても元にはもどらす、地価が上昇し始めたのは最近のことです。

 この時のバブルの崩壊によって消滅した資産は、1200兆円と言われています。

 つづく

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  1. 2007/11/17(土) 16:00:43|
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デットデフレーション-日本経済がこうなった理由(3)

 バブルが崩壊したあと、日本経済はデットデフレーション債務デフレ:デフレによる債務の膨張)と呼ばれる状態に陥ってしまいました。

 長期にわたる物価の下落のことを、デフレーションデフレ)と呼びます。日本で当初起きたのは、急激な金融引き締めなどによる人為的資産価格の下落です。

 資産バブルが崩壊しても、値崩れを起こした資産に借金で投資をしていなければ、なかなか一般物価のデフレにはなりません。資産価格が下がれば、経済的には資産減少による設備投資や消費の抑制がおこりますが、土地の利用価値が下がるわけではないからです。適切な金融政策公共事業などによって需要を増やせば、通常はデフレを回避することができます。

 しかし、借金で買った土地値下がりすると被害は大きくなり、特にそれが値上がりを見込んだ投機的なものであった場合には重大な問題が起こります。

 まず、資産が担保割れをおこすので、別の資産で担保するか、売却して借金を返済しなければいけなくなります。資産を売却するひとが増えれば、さらに資産価格下落し、一層売却に拍車がかかるという悪循環に陥ります(バブルと逆のポジティブ・フィードバック)。

 資産の下落幅が大きいと、債務者は債務超過に陥ります。そして借金を返済できなくなければ、債務不履行により破産します。

 資産の下落にともなう借り手の破産が続くと、続いてお金を貸している銀行が破産します。悪循環による資産価格の下落を恐れ(将来の値上がりに期待して)、銀行が借金の返済を繰り延べ、破産による整理や資産の売却などせずに維持しているのが、不良債権です。

 持続的に資産価格が下落すると、銀行が整理を避けても不良債権が増加してしまいます。そうすると、銀行には破綻に備えた引当金(準備金)が必要となるなので、貸し出せるお金が減ってしまいます。このため、いわゆる貸し渋り貸しはがし、が起こり、バブルとは無関係な会社までもが倒産し、不況が深刻化することになります。

 銀行からの借金というのは、銀行信用創造によって作り出したお金ですので、これが破綻や整理によって失われると、世の中のお金(通貨供給量)が減少します(信用収縮)。そのために、低金利による通貨供給と逆の状態がおきてひどい不況になるわけです。

 この状態が長く継続すると、一般物価下落して、ついにデフレになってしまいます。日本のデフレは1998年がピークでした。

 一般物価が下がると、実質金利が増加して借金が増えたのと同じことになります。債務者の負担はが増加して、ますます債務不履行の可能性が高くなり、倒産が増えればさらに物価が下がるので実質債務が増える、という悪循環を形成します。これが、デットデフレーションです。

 また、一般物価の下落は経済の収縮によって需要を低下させるため、さらに物価が下がるという悪循環も形成されます(デフレ・スパイラル)。

 そして物価下落率実質金利上回ると、マイナスの名目金利でなければお金を借りるひとがいなくなり、現実にはだれも借金をしなくなる、という事態に陥ります。この状況では、金利の操作によってお金の供給を増やすことが不可能なので、不況からの脱出が難しくなります(流動性トラップ(流動性の罠))。
 
 バブル崩壊後の日本では、1999年から数年間、ゼロ金利でも通貨供給量が増えないところまで行きつきましたので、流動性トラップに落ち込んだということになります。

 その後日本の不良債権は何とか処理を終えて、信用恐慌(銀行の連鎖破綻)は回避されましたが、人為的か必然かはともかく、未だにデフレから完全に脱却したとはいえない状況です。

 最近米国で起こったサブプライム問題は、同じようにデットデフレーションを起こしかねないものですが、米国の銀行は既に不動産担保債権証券化して世界中に売却していたため、問題は世界中に薄く拡散しています。世界各国で株が急落し、金融緩和などの対応が行われています。

 デフレの詳細は、デフレの経済学

つづく

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  1. 2007/11/18(日) 14:04:53|
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デフレからの脱却-日本経済がこうなった理由(4)

 なぜ日本経済デフレから完全に脱却できないのか、その理由は明白です。

 日銀、財務省、政府とも、”本気でデフレから脱却しようとしていない”からです。

 デフレ経済成長を妨げる要因となるため、速やかに脱却して緩やかなインフレに移行することが必要です。このためには、リフレーション政策通貨再膨張政策)を行うことが望ましいと考えられますし、少なくとも経済が充分に回復するまでインフレ阻害すべきではありません。

 インフレ率ゼロの状態でゼロ金利政策を解除したり、1%程度の低インフレ率金利引き上げようとする日銀の行為は、危険理解し難いものです。

 現在日本政府は膨大な財政赤字を抱えていますが、これを解消するにも緩やかなインフレのほうが圧倒的に有利です。

 中国などへの輸出によって、やっと経済状況が回復してきたところへ、所得税減税の廃止による増税を行ったのも、財務省にそそのかされた安部政権失策と思われます。

 何故、これほどまでにデフレ解消嫌がるのでしょうか。小泉政権以降の政府は、おそらく構造改革を第一に考えており、これを実現するためには不況の方が都合がよいと判断しているのではないかと思われます。

 その他にデフレ解消を嫌がる理由としては、国債が暴落すること、経済が回復すると消費税を上げる理由がなくなるので財務省が困ること、円安を招くので米国が嫌がること、かつて不動産バブルを作った日銀の精神外傷、などが考えられます。しかし、これらはいずれもデフレ政策を続ける正当な理由には当たりません。そのようなことを認めれば、永久に経済が正常化できなくなってしまうからです。

 既得権益により硬直化した社会構造を改革することはもちろん必要ですが、そのために長期にわたるデフレや不況を強いるのは、あまりに危険犠牲の多い政策です。

 特に、少子高齢化社会が進行する中で、適切な社会福祉政策を維持していくためには、経済成長必須です。構造改革のために社会福祉犠牲にするのは、明らかに本末転倒です。

  関連図書は、こちらを参照

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  1. 2007/11/25(日) 00:09:49|
  2. 社会福祉と経済成長
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社会福祉は経済成長を阻害する?

 社会福祉は単なる社会コストであり、少ないほどよいとか、福祉の高負担国際競争力阻害する、という論調をよく耳にしますが、必ずしもそのようなことはありません

 公的年金失業保険生活保護などは、受給者に現金が給付されるので、直接にその人の所得となります。これによって退職者失業者への所得移転がおこり、低所得者の生活を安定させるとともに、消費を増やします。

 公的医療保険介護保険では現物が給付されます。医療には高度な診断・治療機器薬剤建物情報システムなどが必要ですので、これらの関連産業にお金が回り、経済を拡大します。また、医療介護では、膨大な雇用が創出されます。特に高齢化の進んでいる地方雇用確保に大きく貢献します。

 社会福祉には、このように経済拡大活性化する効果があるため、これが増大したからといって、単純に経済成長が妨げられるわけではありません。

 また、社会福祉拡充は、社会保険料雇用者負担分の増加などによって人件費が上がる要因となるので、労働コスト増加によって国際競争力阻害される、というのも必ずしも正しくありません

 労働コストが高いと、低賃金に依存するような生産性の低い企業淘汰されてしまうため、むしろ生産性の高い企業が残って国際競争力は高くなる場合があります。

 北欧社会民主主義的レジームの国は、高い国民負担率にもかかわらず、国際競争力の高い企業を持って輸出を行っています。特にスウェーデン2006年度GDP成長率4.4%で、日本よりはるかに高いのです。

 少なくとも、単純に社会福祉経済成長を阻害する、と考えるのは、間違いです。 

 現実は、それほど単純ではありません。

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  1. 2007/12/07(金) 00:14:47|
  2. 社会福祉と経済成長
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公的年金保険のややこしいところ(1)-賦課方式

公的年金保険の中で最大のものが、老齢年金退職年金)です。老齢年金は、定年退職後に“長生きするリスク”に備えるもので、生命保険とは正反対のリスクをヘッジするためのものです。

 民間保険会社が扱う退職年金保険は、現役時代に積み立てた保険料を退職後に取り崩していく方式(積み立て方式)になっています。この方法は、積み立てた金額に応じて年金が還付されますので、被保険者にとって理解しやすいのが特徴です。また、少子化の影響はうけません

 しかしながら、積み立て方式には、長期金利インフレ率などの経済的な変化によって、還付される年金の実質的な価値が大きく変化する特徴があります。このため、必ずしも生活に必要な金額が還付されるとは限りません。また、平均寿命が想定よりも延び続けると、保険の財源不足する可能性があります。

 現在の我が国では、公的年金保険の仕組みとして、賦課方式というのが用いられています。賦課方式は、現在働いている人の支払っている保険料で、現在受給している人の年金を賄う方法です。

 公的年金は現在のところ黒字運用ですが、今後少子化高齢化によって、働いている人が減り年金受給者が増えていくと、保険料を高くするか年金給付額を減らさなければならなくなります。このため、年金が長期的均衡できなくなった場合には、給付額を一定に凍結する、“マクロ経済スライド方式”というのが導入されています。

 また賦課方式では、現在の高齢者が受け取れる年金総額は支払った保険料より多く現在の若者が将来受け取れる退職年金総額は支払った保険料より少ない、という問題が生じます。つまり、若者から高齢者への所得移転が起こるわけです。

 このように、将来受け取れる公的年金が不確実で、就労中の負担だけが大きくなる、というのが、現在の若者将来不安不公平感を抱いている大きな理由の一つと考えられます。

 この問題に対して、少なくとも何らかの展望、つまり”どうすればよいか”示す必要があります。

 つづく

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  1. 2007/12/07(金) 19:02:53|
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公的年金保険のややこしいところ(2)-増税はまだ早い

日本の年金保険は、賦課方式にもかかわらず多くの積立金を持っているため、積み立て方式に近い面もあります。

公的年金保険は国の特別会計によって管理されています。財務省の公表では、厚生年金保険および国民年金保険はとも保険本体は黒字で、厚生年金の積立金が約138兆円国民年金の積立金が約10兆円あります。これらは、財政投融資(公共事業)に用いられてきましたが、最近は市場で運用益を得ており、今後取り崩し年金に使用することもできます。

賦課方式の老齢年金は、就業しているものが保険料を払い退職者が給付をうけるので、問題は“全国民の中で就業している人の比率”、特に保険料を払っている人の比率低下です。高齢化少子化が起こっても、国民の就業率が高ければ問題は起きません。このため、高齢者や女性の就業を推進し、給与水準を高めることが大切です。

さらに最も本質的で重要な課題は、生産性の向上によって日本経済を持続的に成長させられるか、ということです。これが実現できれば、所得の増加を通して社会福祉にお金を振り向け、勤労者の可処分所得と退職者の年金給付ともに増やしていくことができます。

生産性を人為的に調節することは困難ですが、少なくとも新しい技術の発展を阻害しない(不要な規制の緩和)、教育研究開発への投資など、有効な対策は沢山あります。

なお、最近話題になっている福祉目的消費税は、年金生活者にも課税されるので、賦課方式による若年者から高齢者への所得移転緩和すると考えられています。また、国民年金保険料の不払い問題への対策にもなるという意見もあります。

ただし、の投入で注意すべきは、被保険者権利弱体化することです。年金保険料を支払った人には、適切な還付をうける権利がありますし、保険料の目的外使用止める権利もあります。しかし、の使い道にそのような保証はありません目的税といっても政治により如何様にもなってしまいます。

また、消費税の増税は消費の低下を招くので、デフレから完全には脱却しておらず、原材料の世界的高騰米国経済不安定化の中で、成長の鈍化している日本経済に間違いなく悪影響を与えます。

安易な増税福祉削減許容する前に、できることについて検討議論することが肝要です。

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  1. 2007/12/08(土) 17:29:08|
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消費税と高齢者の格差拡大

による再分配を考えるうえで問題となるのは、高齢者の資産および所得格差は若年者よりも遥かに大きい、という点です。

また、高齢者資産所得は各人の長い人生に基づいており、個人の努力能力だけではなく、環境に大きく依存しています。そして高齢者は、もはや年齢的に再チャレンジが困難なのです。従って、この格差は単純に容認されるべきではありません

例えば、バブルの崩壊で倒産した企業の社員と、生き残った企業の社員の違いはほとんどだけです。老後を支えてくれる優秀な子供がいる、大病をして会社を退職してしまった、なども殆んどの領域です。

若年者と高齢者社会保険料負担率格差を、消費税のもつ所得逆進性によって解決しようとすると、貧乏高齢者可処分所得が減少して、高齢者間格差が拡大してしまいます。これが消費税致命的問題です。

消費税社会保険財源にするなら、同時高齢者間の格差是正しなければなりません。低所得高齢者への給付を増やして、高所得高齢者への給付を減らすとともに、資産格差への対応が必須です。

貧乏人1万円は金持ち1万円よりはるかに価値がある(限界効用逓減の法則)というのが、保険制度が成立する唯一の根拠です。貧乏人の所得を限界以下に減らしたのでは、リスクヘッジとしての保険制度意味がなくなってしまいます。

現在日本の個人金融資産は約1,500兆円ありますが、このうち半分高齢者が保有しており、富裕層の多くも高齢者ですので資産課税強化するのは合理的です。国は資産性所得課税(キャピタルゲイン課税など)を強化しようとしていますが、これは投資減少させるので、経済成長に対して好ましくありません

金融資産直接課税するのは技術的困難なこともあり、国相続税を増やす方向ですが、格差世代間伝播を防ぐためにも、消費税増税より実施するべきです。

また、緩やかなインフレに対して金利低めに誘導すれば資産課税同じこと(金融資産の移転)が可能です。同時に円高を抑え、経済成長を期待することもできます。つまり、デフレから完全に脱却することが、再分配においても重要なのです。

現在、原油などの原材料が高騰しており、米経済が減速しているので、このまま単に消費税増税すると、不況下のコストプッシュ・インフレ(いわゆるスタグフレーション)に陥る危険もあります。

税制とともに、日銀が金融緩和とインフレの容認を決めることが、極めて重要なのです。

本年11月の政府税制調査会の答申はこちら

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  1. 2007/12/09(日) 19:38:57|
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