ケインズ式の財政政策には、確かにいくつかの問題があります。
まず予算を作り、議会を通してから実際の事業を行い、波及効果が出てくるまでには、時間がかかるという問題があります。タイミングや規模によっては、効果がなかったり、インフレの原因になって悪影響を与えたりします。
もう一つの大きな問題は、公共事業によって政治家や官僚、一部の業界に利権が生じるため、腐敗の原因になることです。ケインズ派の経済学者は予算の拡大を支持することが多いので、政治家に好まれます。
さらに、近年では公共事業として行う道路などのインフラ整備による効用が少なくなり、波及効果(乗数効果)が望めなくなってきました。ど田舎に高速道路を作っても、あまり役に立たないということです。
我が国では財政政策が好んで用いられてきましたが、現在は、規制緩和とともに、構造改革の一つとして公共事業は縮小する方向にあります。
これは、政府による規制と公共事業が利権の温床になり、自由競争を阻害することによって、国の経済成長を妨げているしている、と考えられるからです。
米国は自由市場への信奉が強く、財政政策を嫌うのですが、今回のサブプライム問題では、若干遅かったものの金融政策とともに財政政策がとられています。
FRBのバーナンキ議長は、昨年後半から立て続けにFF金利(短期金利)を下げ、ブッシュ大統領は戻し減税などによる16兆円程度の緊急経済政策を行うことにしています。
また、2007年末にFRB(米連邦準備理事会)、ECB(欧州中央銀行)、スイス国立銀行、イングランド銀行、カナダ中央銀行は、流動性供給を行い、欧州では破綻の恐れがある金融機関の処理やアブダビの政府ファンドなどによる資本注入が行われました。
米国では住宅価格が下落し続けているため、今後はサブプライム・ローンに限らず、借金で住宅を購入している人が債務超過となり破産していき、これらを組み込んだ債権は不良債権化し、証券は下落します。つまり、デット・デフレーションへ向かうわけです。
我が国と同じデフレの隘路に落ち込まないために、この1年が正念場になるでしょう。
つづく
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- 2008/02/18(月) 08:00:00|
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